生みの親より育ての親。
わたしを生んだ母は、わたしが7歳くらいに離婚して家を出ていった。
それまでも母は一生懸命働き、わたしと妹の面倒を見ていたのは父方の祖母。
寝る時も祖母と一緒の生粋のおばあちゃんっ子であった。
母が出ていき、しばらくたってからわたしと妹を迎えにきたけれど、わたしが出ていったらおばあちゃんがかわいそうだな‥という気持ちがとても強くて母についていくことはできなかった。
両親が離婚してから、父親も家を出て別に暮らして‥‥父親はわたしが小学校高学年の時に再婚した。
「新しいお母さん」と紹介されたので一応「お母さん」と呼んだけれど‥
父親と新しいお母さんはわたしたちとは別に暮らしていて、その間には赤ちゃんが生まれた。
生まれた妹はかわいかった。
だけど、それはもう別の家族って感じがした。
実の母とは、わたしが30代の時に再会した。
綺麗だった母はかわいいおばあちゃんになっていた。
「これからは時々会おうね」と言ったが「もう歳だし九州から出るつもりもない。近くに友だちもいて楽しいから会うつもりはない」というようなことを言われた。
突き放されたようで寂しかったが、母はわたしたちを捨てたと悔いていたので、今更母親づらできないと思ったのかもしれない。
今のお母さんを大切にね、とも言われた。
どちらの母もガラス越しのような、少し距離のある関係。
心から甘えられる母ではなかったし、甘えてはいけないような気持ちにさせられた。
我が家には祖父と祖母の仏壇があり、実の母親の骨がある。
母が亡くなった時に少し骨をもらってきたのだ。
母の骨は仏壇ではなく、箪笥の隅っこに置いて時々お茶を供える。
人が死ぬと、ご先祖様が迎えに来てくれるっていうけど本当だろうか。
誰が来てくれるのか?総出で?
会いたいよね、皆に。
その時に、恥ずべきことのない自分でいたい。
結局、わたしにとって祖母がいちばん母親に近かったのかも。
だから今でも祖母に似たおばあちゃんを見かけると抱きしめたくなるんだよな。
今日やっと!本が届いたわ!
プライム会員なのに、何故か通常配達だった。
まだ読みかけだけど、いい本だわー。